大野直子 VS 桝野正博 離反と融合をくりかえす、一枚の詩と、一篇の詩。
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肉 声
苦悩ぶったことばなんかいらない
たましいの声もいらない
聴きたいのは
ひと切れの肉声なんだ
ケーン
ケーン
伐採がすすむ防風林で
キジが断末魔のような声をあげる
一番星とキジの鳴き声が
夜の入り口の空に氷る
安穏な人生でも叫びたいんだよ
つぶやきでもいいんだ
みぞおちのあたりが
たしかにすこし痛むんだよ
ケーン
ケーン
ブルドーザーで
離れ離れにされてしまったキジの親子が
工場用地をはさんで存在を確かめ合う
かあさんが死んだとき
わたしはほんとうの一人になりました
はじめて世界に産み落とされました
蒼い防風林を歩く
ケーン と
喉をしぼってみる
沈 黙
風が鳴る四月
雑木林ははじめて自分の最期に気づいた
吸わない音 除けない砂
トビたちが止まるむきだしの枝先
てんでんばらばらの方向に傾く木立
サーファーたちがいくらうねっても
砂浜に現れたショッピングモールが真夜中を照らしても
陽光が降り注いでも
ニセアカシアは芽吹かない
ニセアカシアの寿命はおよそ五十年
内灘闘争が終わって五十一年
あたしったら
死にかけているのね
だが おまえの死に暗さはない
試射場ドームに描かれていた淫靡な落書きもない
すえた臭いもない
去勢されたようなショッピングモールは浜を背にして建ち
荒波をけっして見ようとしない
砲弾が行き交ったこともある細長い海岸線には
ただ春が透けているだけだ
奥行のないまちが
骸骨のような林に抱かれている
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